読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

始めの記憶

振り向くと、鬱蒼とした森があって、風が通り抜けて行った。

もう振り返りたくはない

遠い昔を思い出すから。

帰りたい。

そんな感傷を抱えて。

いつも心には重たいざわめきがあって、

手放しで幸福を感じる瞬間はほんの少しで。

それでも私は幸せなんだろう。

考えた事も無いけど。

また木枯らしが吹く。

振り返らずとも木々がざわめいているのが分かる。

何もなかった始めには、重さもなかった。

重さの無い木々のざわめきと春の日差し。

もうほとんど思い出せない始めの記憶。