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春といふ 春といふ

 春はなんと楽しいのだらう 

 地球はなんとゆるやかにめぐることだらう

  (三好達治、 春の日の感想)

昨日のこと。同僚に注意された。

いちさん、バレンタインデーにチョコをもらったの?と聞かれ、嬉しくも毎年頂いているんだと答えた。

そしたら、いちさん、今日は何の日か知っているか?という。

ううーん、、、と言うと、かれは今日はホワイトデーだっ、だからきっちりお返ししなきゃねと忠告された。

かれは、きちんと妻との儀式を執り行うひと。

ううーん。。

で、昨日は早めに帰宅し、最寄り駅に隣接しているケーキ屋さんでケーキを買おうとした。

がんばってみた。

でも、恐ろしいことに、いっぱいのおじさんたちが列を成していた。

わたしのように注意されたのか、儀式に忠臣な男子が多いのかは分からないけれど、みんな神妙に列を作って待ってた。

ううーん。。。

ケーキ屋さんってやたらと待たされる。

ううーん、、、

待つのが嫌で段々いらいらしてきて買わずにぷいっと帰宅してしまった。。。

帰宅したら、かのじょが「あらぁー、今日は早いのね」と声を掛けた。

わたしは正直に言った。

「ケーキを買おうと早めに帰って来たんだけど、待っているうちにイラツいて、買うのを止めたんだ。

あなたへの愛より、じぶんの都合を優先させてもらった。ごめん。。」

それを聞いて、かのじょはにこっと笑った。

完全に期待してなかったのだ。

わたしは完全に諦められていて、無理したわたしはおのれをそんなに信頼もしてなかったのだ。。

春の日とは、待ち遠しいものだけれども、いざ近づくとあっという間に過ぎ、あれぇ〜とか言っているうちにゴールデンウィークに突入する。

春が来る、春が来たとか言っているうちに、気が付くといつもツツジになってる。

三好さんには悪いが、春の頃、そんなに地球はゆるやかにはめぐらないのだ。

今日、若い同僚にあなたはホワイトデーのお返しをしたのかと聞いて見たら、じぶんはもらえないのですという。

「彼女はチョコが大好きだから僕にはあげないのです」と。

そういうペアも居るのか?と疑問だったが、それは商業主義に服することを潔しとしない奥さんだからなんだろうと、いちおう納得した。

で、彼は続けて、「なので、バレンタインには僕が彼女にチョコをあげています」と言った。

おお、、、理解不能。。

まっ、どっちが相手にあげてもいいのだろうから、そういう世代なのかと無理やり納得してみた。

が、なんだかワケが分からない。最近、みんなへんなことをわたしに言う。??

小さな庭に小さなスイセンが今年も黄色の花を付けた。

毎年毎年、とても可愛い。

毎年、かのじょはどんなつもりでわたしにチョコをくださるのだろうか?

わたしはもらうと嬉しいので、素に感謝し、わぁ〜いと食べる。

そして、毎年、お返しを忘れ、後で気が付いてあやまる。

だから、あまり出来の良く無いスイセンが咲いているぐらいに思っているのかもしれない。

3月末は結婚記念日が来るが、まいとしまいとしその日を忘れる。

年初には分かっているのだけれど、いざ3月に突入すると、かならず忘れる。

とても嫌なんだろうか??

過ぎてしばらくすると、かのじょが笑いながら、「お互い気にしてないのか忘れるのねぇ〜」と言う。

いや、きっとかのじょは知ってはいたのだが、

わたしを急かして無理やり執り行う儀式でもないと思ってるのだろう。

忘れているのなら忘れているなりに、思い出したのならそれなりに、で結構だというひとだが、やはり遠くにひとりぼっちで嫁いできた日のことは忘れられないだろう。。。

それに、お返しをもらったり、今日の日を祝おうと申し出られて、迷惑な女子はいまい。。。

遅まきながら、今日、バレンタインのお返しにプリンをコンビニで買って来た。

反省したわたしは、がんばってみた。

かのじょはぱくっとおいしそうに食べた。

ついぞ1回も結婚記念日を祝ったことはなかったが、来週、ぜひに祝ってみようと思っている。

P.S.

どうして、こうも自分勝手な性格なんだろうかといつも思う。

異常なほどではないはずだが、しかし、相手が大らかで人格麗しいかのじょだとこういう性格が浮き上がってしまう。

大罪おかした下手人の気分になってしまう。申し訳無い。

そして、母は、わたしに詩のセンスも与えなかった。

で、たいはんの詩が理解不可能のままだ。

でも、三好達治のものはそんなに難解でないので、素に好きだ。

かれの詩にはさらにこういうのがある。

 春といふ 春といふ 誰がいふ 

 月出(い)でて 日も昏(く)れぬ 

 月出でて 雲はだら

  

  (三好達治、春といふ)

3月の今頃は急に冷えて雪もちらつくのだけれど、梅や花が咲き、春が確実にそばに来る。

日が長くなったのをこうして三好達治も喜んだ。

なんでも母のせいにはしてはならない。

そして女子には誠心誠意しなくっちゃと最近、やっと思う。